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あまろっく

先日、「あまろっく」という映画を観ました。コロナ禍で5年ぶりに映画館に足を運びましたが、とても楽しめた映画でした。あまろっくとは尼崎市にある防潮堤(正確には閘門)で、海抜0メートル地帯の尼崎の街を浸水から守っています。しかし、この防潮堤の存在を知っている人は少ないようです。

 

物語の主人公は、学校時代から成績優秀で真面目に頑張ってきた江口のり子さんが演じる娘です。就職後も会社でトップの業績を誇っていた娘が、突然リストラされて実家に戻ることになります。落ち込んで実家に戻ってきた娘を、笑福亭鶴瓶さん演じる父は、娘が玄関を開けるなり「おめでとう、人生に起こることは何でも楽しまな!」と言って赤飯をたいて歓迎します。もちろん娘はあきれるばかり。父は鉄工所を経営していますが、あまり仕事をせずにおしゃべりばかりで、娘は父の姿を以前からそれを受け入れることができません。

 

会社をリストラされて実家に戻った娘を歓迎することは普通では考えられません。娘の気持ちを考え、静かに接するか、慰めの言葉をかけるのが精一杯でしょう。この父にとって、そういう気持ちはもちろんあると思います。しかし、リストラとはいえ、娘が実家に戻ってきたことは、父にとっては一緒に暮らせる喜びもあると思います。落ち込んだ娘を励ます目的が大きかったと思いますが、父親らしいメッセージを送ったのだと思いました。本当はつらい中でも、良いことも隠れている。それを見つける視点の変化が、自分の人生において重要であると感じました。苦しいときにホッとする視点があったり、何もかもうまくいっているときに本当にこれでいいかと一歩立ち止まって考えたり。その正反対のものの見方は自分を助けてくれるものだと思います。さらに、「人生に起こることは何でも楽しまな」という楽観的なものの見方は、つらい出来事であってもとらえ方を変えると楽しめることもある、こんな経験は今しかできないからしっかり見つめておこうと言っているように感じました。

 

物語は、そんな父が娘より年下の中条あやみさん演じる区役所職員と結婚することになりますが、父が急死し、残された江口さんと中条さんが自分たちの生活や会社を切り盛りすることになります。そこでの。二人の関係の面白さや父がどういう存在であったかがこの映画の核心になりますが、続きは皆さんでご覧ください。

                                                         TT

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