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白湯の力

 私は年々冬が苦手になってきています。今年度の冬もとても寒く、子どもの頃はよくこの寒さに耐えて生きていたなと過去の自分に敬意を払う日々を過ごしています。

 

 昨年のちょうど今頃だったと思うのですが、あまりの寒さに家の中でどうしようもなくなってしまったときがあります。早くお風呂に入って温まりたいという気持ちと共に、お風呂に行くまでの道中の寒さを思い出し廊下に出る気持ちになれず、リビングからなかなか動くことができませんでした。そのとき、ふと思い出したことがあります。

 

「健康や美容のために毎日朝と夜に白湯を飲んでいる」

 

 昨年インターネットで動画をみていた際ある人が言っていた言葉です。寒さでリビングから動くことができなかった私は、白湯を飲むと体が温まり動きやすくなるのではないかと考え、「白湯を飲んでみようかな」という気持ちになりました。しかし、私には「味もしない透明なお湯を飲む」という文化がなく、「白湯を飲んで何が変わるのか」という気持ちもあり、なかなか実践に移すことができませんでした。白湯を飲むか飲まないかという議題で寒い中自分の中で数分間葛藤し、そして、「やらないよりはやってみよう」という結論に至りました。愛用しているマグカップを手に取り、ポットから熱湯を注いでみました。その熱湯を数分間冷まし、「味もしない透明なお湯」を一口飲んでみました。そして、驚きました。体が内側から一気に温まっていく感覚があったのです。体が温まり「今ならなんでもできる」という気持ちになった私は浴室へ向かい、無事にお風呂に入りさらに体の芯から温まり眠りにつくことができました。

 

「気が向いたときに白湯を飲もう」

 

 自分の性格などを考えた結果、「毎日白湯を飲もう」と思ったとしてもそれはおそらく難しく、気が向いたときにだけ白湯を飲むことにしました。この冬も時々思い出したときに白湯を飲み、体の中から暖を取っています。そろそろ厳しい寒さも和らぎ暖かい春が訪れる頃でしょうか。過ごしやすい春は一瞬で、暑い夏がもうすぐそこまで迫ってきていると考えると今から恐ろしい気持ちにもなってきます。私は冬に白湯を飲むという新しい取り組みを始めましたが、皆さんには皆さんなりの冬の過ごし方や夏の乗り越え方などがあるかと思います。春は花粉症、秋は肌寒く体調を崩しやすいなど、気候としては過ごしやすい春や秋も油断してはいられません。その季節でしか味わえない趣も楽しみつつ、自分なりの過ごし方を見つけて快適に一年を過ごしていけたらと思っています。

 

N.Y.

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