「リサーフですごした1年半を振り返って」
今、この文章を書いているのは、11月半ばです。この文章が掲載される12月には、私はリサーフを去り、新しい職場で働いていることでしょう。
今、リサーフですごした1年半を振り返っています。
たくさんのプロラムがあって、メンバーさんが自由にすごせる、「多様性」と「自由」が共存しているリサーフでのお仕事はとても新鮮で刺激的でした。
リサーフで、はじめて経験したことがたくさんありました。
運動系のプログラムは、一般的なヨガやピラティスだけでなく、ストレッチポールをつかったものや姿勢改善に特化したもの、大きな声で笑うヨガ、ストリートダンスや卓球など多種多様です。
作業系のプログラムも水墨画やレザークラフト、わら細工、ハーバリウムやアロマワックスはどれもはじめての体験でしたが、小中学生の頃以来やっていなかった書道や彫刻も新鮮でした。
心理療法系のプログラムもたくさんあり、担当するスタッフが自作したプログラムをするので、担当者の好みや個性が出ていて、とても興味深く、勉強になりました。
私自身も一番興味をもっていた「セルフ・コンパッション」をテーマにしたプログラムをしました。準備には何か月もかかりましたが、自分自身の勉強にもなり、実際にやってみるとプログラムとしては十分とは言えないところもありましたが、なんとか最後までやり終えた時には、ほっとしました。
あと、リサーフには、トーク(おしゃべり)系のプログラムもたくさんあります。なんでも自由に話せるものやメンバーさんの悩みをみんなで解決する「当事者研究」、哲学的なテーマで語り合う「哲学カフェ」などです。それらのプログラムの中で、メンバーさんの悩みや体験談をたくさん聞けたのは、本当に貴重な時間でした。
さまざまな運動ができるジムのようでもあり、習い事や勉強ができるカルチャーセンターのようでもあり、いろいろな人が集まって、自由で楽しいひとときが過ごせる地域の居場所のようでもあり…そんな生きる上で大切な要素がたくさん詰まっているのが「デイケア・リサーフ」でした。
たくさんのメンバーさんとお会いし、いろいろなお話をさせていただきました。思い出されるのは、なぜか楽しかった思い出ばかりです。
私はいま、就労継続支援事業で働いています。これまでは、メンバーさんをお仕事につなぐサポートをしてきましたが、これからはメンバーさんといっしょに同じ仕事をします。働くことの楽しさやたいへんさを共有しながら、メンバーさんが望む生活が実現できるようにサポートするのが私の仕事です。
私が今後、このような仕事をいつまで続けているのかはわかりませんが、自分の心と身体に耳を傾けながら、その声にしたがって生きていきたいと思います。
また、どこかでばったりお会いすることもあると思います。その時は、リサーフのスタッフではなく、一般のひとりのおじさんとして、気軽にお声がけいただけるとうれしいです。
メンバーさん、スタッフのみなさん、講師の方々にはたいへんお世話になりました。みなさまのご健康とご活躍を心よりお祈りしております。
本当に今までありがとうございました。
T.A.