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「居るのはつらいよ」と分身ロボットOriHime

こんにちは。スタッフのKNです。

昨年、リサーフで分身ロボットOriHimeが参加する茶話会を実施しました。

今日は、なぜ私が分身ロボットOriHimeに興味を持ちデイケアで使ってみようと考えたのかを書きたいと思います。

 

 はじめに、分身ロボットOriHimeとは、オリイ研究所が「心を運ぶ車いす」として開発したロボットです。身体の障害などで直接その場に行くことが出来なくても、自分の分身として遠隔操作し、その場にいる人達とコミュニケーションが取れるツールです。

 

 

 私がOriHimeに出会ったのは、分身ロボットカフェというイベントに客として参加した時のことです。

分身ロボットカフェでは、OriHimeを自宅など遠隔から操作するパイロットの方がいるのですが、実際にその場で接客をするのは、生身の人間ではなくOriHimeです。そしてOriHimeを操縦するのは、何らかの障害などにより外出が困難な人達です。

 OriHimeを介して、会話をしたり、コーヒーを配膳したりウェイターとして、接客を受けてみて、まるでその人がその場に居るかのような感覚を覚えました。そしてとても「生き生きと楽しそう」に感じました。

 

 

  なぜ、デイケアで使ってみようと思ったかですが、単純にデイケアで働いているからというだけではなく、デイケアには「居場所」としての機能があるからです。OriHimeもデイケアも「居る」ことを支えるものとして、通じる部分があるんじゃないかと思いました。

 

 僕らは、自分になぜ「いる」ことが可能なのか、普段は考えもしない。魚が水のことなんか考えないように、犬が酸素のことを気にもしないように、僕らは自分の「居る」を支えているもののことに気がつかない。そんなことは当たり前だと思っている

だけど、デイケアにいると、それをとても不思議に思ってしまう。だって、「いる」は簡単に失われてしまうものだからだ。そういうときに僕らは「居場所ってなんだろう」と考え始める。「いる」が難しくなったとき、僕らは「居場所」を求める。居場所って「居場所」がないときにはじめて気がつかれるものだ。本当にふしぎだ。

(東畑 開人 「居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく)」医学書院)

 

 上の文章は、「居るのはつらいよ」という精神科デイケアの日々を心理士の視点から綴った本の引用です。

改めで居るって不思議ですね。私もそこに一緒に居れることが当たり前だった時はあまり意識してなかったですが、様々な理由で集団で共に過ごすことが困難になった時、改めて「居る」ということの尊さに気づきました。

以上 KNでした。

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