巣立ちの春に思うこと
去年の春から働き始めた息子が、とうとうこの春一人暮らしを始めました。家では特に手伝いもせず、私も甘やかしてしまっていたのでどうなる事かと本当に心配でしたが、一人になればそれなりになんとかやれているようです。
ときどき様子を見に行きながらも、信じて見守ることがようやくできつつあるのかな。そうなれるといいな、と思っています。
竹下家の話題をブログでほほえましく読ませていただいていますが、自分の子育てを振り返ると、楽しかったこともたくさんあるけれど決してそればかりではなく、子育て中の失敗や後悔、苦しかったことのほうが圧倒的に思い浮かびます。自分のことも責めてばかりいました。
なぜなら、子どもに何かトラブルが起きた時、起こした時に周囲から母親が責められるパターンが本当に多いからです。別に自分のことを棚に上げているわけではないのですが、ただただ「あの子の親は何をしているのか」などと批判的なまなざしを向けられることは本当に心細くつらいものです。母親が疲れてしまい、子どもに怒りをぶつけてしまうことにもなりかねません。もちろん、社会のルールに合わせて生きていくことを子どもに教える必要性はあるけれど。
本当の子育て支援って何だろう。
そんな中でこれまで私はいくつかの本やブログに救われました。
古い本ですが、岩波新書の『私は赤ちゃん』『私は2歳』。これは『育児の百科』の著者で今は亡き小児科医、松田道雄先生の名著です。今の時代背景とは少しかけ離れている昭和の著書ですが、育児の本質はいつの時代も普遍的なものであることを教えてくれます。松田先生の母子への温かいまなざしは、子どもが幼少期のころのバイブルでした。
小学生時代のやんちゃな時期は『あほ男子母かるた』(世の男子諸君、失礼いたしました)に救われました。ブログが始まりでしたがいつのまにか一冊の本にまとめられていました。いわゆる「男子あるあるネタ」をカルタ風な文章でユーモアたっぷりに紹介しています。ちょっとばかばかしいのですが、「あるある!」と勝手に共感しながらも気持ちが癒されました。
でもそれだけ、当時は自分で自分を何とかするしかなかったし、サポートがほしかったのだな、と思います。
最近では『ははが生まれる』という本を知りました。もともとPTSDやトラウマについての著作が多い精神科医が著者で、この本では特に母親に対するケアの必要性を訴えられており、説得力ある言葉に支えられます。
私もようやく息子が巣立った今、自分の時間も大切にしつつ、ささやかながら世のお母さんたちを始めとする「ケアする側」の気持ちにももっと寄り添えたら、と思っています。
O.M