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心理士は「シンギュラリティ」を超えられるか?!

    何年前だったか忘れたのだけれども,デイルームにある雑誌「Discovery Japan」でAIの特集がされていました。(表紙は確か,鉄腕アトム。)今回のタイトルに書きました,「シンギュラリティ」というのは,「技術的特異点」といいまして,人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点のことをいいます。または,この転換点より人間の生活に大きな変化が起こるという概念のことをいいます。このシンギュラリティは2045年にやってくるそうです。今から24年後です。「へー」と思いながら呑気にページをめくっていましたら,シンギュラリティ以後,なくなる職業,残る職業ランキングなるものが目に飛び込んできました。残るだろう職業ランキングの8位までの中にいくつか我らメンタルヘルスコメディカルスタッフがランキングしておりました。

 

   その記事を読んでから,なんとなくデイケアをご利用されている方との雑談の中で,「今後もし,AIカウンセラーができたとして,性能の良いAIカウンセラーか,性能のそれほど良くない人間のカウンセラーかどちらかを選べるとしたら,どうされますか?」ときいてまわっていたのを思い出しました。その時は,「またまた,そんなこと言って~」と笑いながらおっしゃられた後に,しばらく真顔でうーんと考えられた末,性能があまりよくなくても,やはり人間かなと,みなさんおっしゃられていた気がします。気を遣わせてしまった気がしないでもなかったのですが。こういった気遣いは,AIにはできるのでしょうか。

 

     一方で,AIカウンセラーか人間のカウンセラーかどちらを選ばれますか?と尋ねられて,人間かな,と忖度して回答ができるという,そんなディープラーニングやら,ビックデータやらを搭載した性能の良いAIであるならば,やはり人間と同じように無限の複雑な思考パターン(回路パターン?)をもつことになり,どこかで混乱する(病む)こともあるのではないかと想像しています。その時は,そんなAIを治療するAIカウンセラーが必要になるのでしょうか?その時,人間のカウンセラーは不要なのかな…。

 

 昨年からのコロナ禍において,オンラインでのデイケアプログラムやオンラインカウンセリングを実施したことから,シンギュラリティの特集のことを思い出したのでした。

 いずれにしても,性能の良い人間のカウンセラーであるよう,たゆまず精進いたします。

K.M.

 

 

写真は,昨年,一定期間リサーフに勤務していた職員です。

じぶんのiPhoneにすら,照れて「Hey Siri」と言えない私が,抵抗なく話しかけることができた唯一の方。

 

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