決断をさまたげるもの
失敗を恐れて動けなくなる,ということが時々あります。
特に私の場合は,少し大きめな買い物をする時にそうなることが多いです。
先日掛け布団を買い替えたのですが,そこに至るまでには3,4年の年月を要しました。
以前のものはいつから使っていたのか思い出せないくらい昔(少なくとも10年以上は使用)のもので,冬になると寝ていても寒さを感じて起きてしまうということが度々ありました。
シンプルに考えると布団の寿命な気がするのですが,長年使ってきた愛着も手伝ってか,なかなか買い替えるという行動に踏み切れませんでした。
「室温の問題なのでは」
「寒がりなのだから,どうしたって寒い」
「どんな布団も似たようなもの」
そんな考え(マインド)が私の頭をよぎります。
それらの考えを脇に置いておいても,新たな布団を選ぼうにもインターネットには数々の口コミが並びます。
多数の人がとある布団を絶賛していても,「全然温かくない」という反対意見が一つでもあろうものなら,自分の中で引っかかってしまうため,候補から却下したくなってしまいます。
人それぞれ感じ方は違うのだから,千差万別の意見があって当然ということは分かっているのですが,どうしても私は失敗したくないという気持ちが強いようです。
口コミを見続けて疲れ果てて寝てしまう,ということを何度も繰り返し,気付けば数年という年月が経過し,今に至りました。(書いていて何だか恥ずかしいです)
今年ようやく購入に踏み切れたのは,納得がいく布団を見つけられたというのではなく,寒さとの長年の戦いに疲れたというのが正直なところです。
購入を決めた布団は,口コミそのものがほとんど見当たらない布団だったので不安でたまらなかったのですが,説明書きを信用して思い切って購入。
到着したその日はドキドキしながら眠りにつきました。
肝心の結果はというと…大成功!
とても温かくて満足できるものでした。
なんでもっと早く買わなかったのだろうと,長年悩んでいたことを今では悔いるくらいです。
これだけ悩んだからこその成功と自分を慰めつつも,時間を無駄にしたという感覚もぬぐい切れません。
口コミなどの他人の意見は参考にはなるものの,振り回され続けて身動きが取れなくなるようでは,本末転倒と言えそうです。
失敗は失敗で笑って受け止めるくらいの余裕と,早めに決断できる力を持てる人間になりたいものだとつくづく思いました。
M.M.