Experience machine「一生自分の望み通りしあわせになる機械」にじぶんの脳をつなげたいですか?
自分の脳をその機械につなぎさえすれば,自分の希望通りに夢をすべて叶えてくれる機械があるとします。
一生思い通りの人生です。ただし,自分の脳は一生ビーカーの中です。
その機械にじぶんの脳をつなげられる選択肢があるとします。
みなさんは,どうされますか?
わたしは…「一週間くらいなら試してみたい気もするけど,一生となるとちょっとな…」という感じで,
お断りすると思います。
おそらく多くの方も同様にそうされるのではないかと思っています。
これは,政治哲学者のロバート・ノージックのたてた問い,いわゆる思考実験です。
思い通りになると約束されているのに, なぜか嫌なのは, なぜなのでしょう?
だれもが失敗は出来る限りさけたいですし,幸せに生きたいと思っているはずなのに?
機械が提供してくれる「最高のしあわせ」以上の何かが,
じぶんで生きる人生にあると,わたしたちは思っているのでしょうか?
そしてそれを求めているのでしょうか?
それはいったいなんなのでしょう…?
リサーフで実施していますプログラム「アクセプタンス&コミットメント・セラピー -認知行動療法-」の中で,
「じぶんの生きていくうえでの価値,大切にしたいもの」,それらへのコミットメントについて考える時間があります。
幸せになりたいと誰もが思いますが,いざ,じぶんにとっての幸せはどういうことなのか,幸せは少し先の目標なのか,日々の中にもじぶんの望む幸せを得る行動があるのではないか,などを考えてみるという機会です。
なかなか改めて考えることはないテーマであると思います。
ところで,ノージックは,この問いに対して,なぜ機械につながれたくないのか,こたえを明確にだしています。
リサーフの人気プログラム,「哲学カフェ」でも,一度テーマで取り扱って頂き,
みなさんおひとりおひとりのお考えをきいてみたいなと思っています。
K.M.